Web系エンジニアとは?現役エンジニアが仕事内容を徹底解説!
「Web系エンジニアってどんなことをするの?」
「Web系エンジニアになりたいけど将来性はあるの?」
「Web系エンジニアのやりがいは?」
Web系エンジニアは、インターネット上のサービスを構築するエンジニアです。
Webサービスは、私たちの生活に欠かせないものになりつつあり、さまざまな面で活躍しています。
例えば、ECサイトやアプリなど、少なからず1日に1回はなんらかのWebサービスを利用しているはずです。
今回は、そんなWebサービスを開発するWeb系エンジニアについて紹介します。
現役Web系エンジニアの目線で紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
・Web系エンジニアのやりがい
・Web系エンジニアに求められるスキル
・Web系エンジニアの年収
目次 (PRも含まれます)
Web系エンジニアとは?
Web系エンジニアというのは、一般的にWeb(インターネット)上のサービスを開発するエンジニアを指します。
一般的に、Web系エンジニアはブラウザで動くプログラミングを作ることが多いです。
Webサービスの代表的なものとしては、GmailなどのWebメールやAmazonなどのECサイト、InstagramやTwitterなどのSNSなどが挙げられます。
このようなサービスの見た目(UI)やシステムを構築することがWeb系エンジニアの仕事です。
Web系エンジニアとほかのエンジニアはなにが違う?
システムエンジニア(SE)と呼ばれる職種は、ソフトウェアやハードウェアのシステムの要件定義から開発、そして運用保守に関する業務に携わります。
一方でWeb系エンジニアは、Webサービス専門のエンジニアとして活躍しています。
システムエンジニアはソフトウェアやハードウェアのシステム設計・開発を重点的に行いますが、Web系エンジニアはインターネットサービス(Webサービス)の開発に焦点を当てていることが大きな違いです。
例えばWeb系エンジニアは、Webサイトを作成したり、ECサイトのデザインなどを担当します。
システムエンジニアが手掛けるのは、ダウンロードをして使うようなPCソフトの開発や、電子機器のプログラミングなどです。
Web系エンジニアは、Web上で行うサービスやアプリ、Webサイトに関わるエンジニアということを覚えておきましょう。
Web系エンジニアが所属するWeb業界とは
Web業界は主に、Webブラウザを通じてインターネット上で表示されるWebアプリケーションの開発に取り組んでいます。
例えば、以下のようなサービスが代表的なWebアプリケーションです。
- Webメールサービス
- クラウド会計ソフト
- ECサイト
- Web会議システム・ビデオチャットツール
- 予約サイト
- 口コミサイ
異なる業界を見えてみると、ハードウェアのエンジニアや組み込みシステムのエンジニア(システムエンジニア)が存在します。
システムエンジニアは、一般的に次のような実装を担当する仕事です。
- スーパーのPOSシステム
- レジのソフトウェア
- 銀行の端末
- 電子機器のシステム
システムエンジニアは、このようにハードウェアやソフトウェアの開発や運用に携わるエンジニアといえます。
そのほかにもゲーム業界においては、UnityやJavaなどの異なるプログラミング言語を活用し、以下のようなものを構築します。
- ゲームのソフトウェア
- ゲームの中に組み込まれているもの
- スマートフォンアプリ
エンジニアという言葉を使っても、作業内容や使用するプログラミング言語は業界によって異なります。
それぞれのエンジニア職種の違いを明確に区別することが大切です。
Web系エンジニアの分類と仕事内容
Web系エンジニアは、大きく分類すると以下のような職種に分けられます。
- フロントエンドエンジニア
- バックエンドエンジニア
- インフラエンジニア
ここでは、それぞれの職種について触れつつ、具体的な仕事内容について解説します。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアとは、主にWebのUIに関わる実装を行うエンジニアです。
つまり、ユーザーの目に触れる部分の開発を行うエンジニアといえます。
例えば、HTMLとCSSなどのプログラミング言語を用いて、以下のようにログイン画面の作成をします。
- IDやパスワードなどのログインフィールドなどのHTMLのコードを実装
- Webデザイナーが事前にデザインしたWebページの表示を作成
ただし、最近はフロントエンドエンジニアもより高度なスキルを求められるようになっています。
例えば、IDとパスワードを入力した時に、サーバーへリクエストを送ってデータを取得し、その結果をログイン画面に反映する処理を行うといったケースです。
この場合は、フロントエンドの知識だけではなくサーバーサイド(バックエンド)の知識も必要となります。
フロントエンドエンジニアが使用するプログラミング言語としては、主にUI側の実装にHTML、CSS、JavaScript、jQueryなどを利用します。
モダンなフロントエンドフレームワークでは、以下のようなプログラミング言語が使われます。
- React
- Vue
- Svelte
- AngularJS
一般的にユーザーの目に触れる部分は、Webデザイナーがデザインを担当し、そのデザインの通りにフロントエンドエンジニアが実装をします。
場合によってはデザイン自体をフロントエンドエンジニアが兼業するケースもあり、Webデザインの知識を持っていると活躍の幅を広げられるでしょう。
バックエンドエンジニア(サーバーサイドエンジニア)
バックエンドエンジニアは、サーバーサイドエンジニアとも呼ばれる職種ですが、基本的にバックエンドもサーバーサイドも同じ意味です。
バックエンドやサーバーサイドというのは、簡単に言えばユーザーの目に見えない部分の処理を行うシステムのことを指します。
会員向けサイトにログインする例でいえば、ログインIDやパスワードなどを入力した情報をもとにリクエストが送られ、ユーザーが見ている画面にデータを返すような処理を行う部分をバックエンドと呼びます。
ユーザーからはログインIDとパスワードを入力しただけに感じるかもしれませんが、じつは目に見えない裏側では以下のような処理が行われています。
- IDとパスワードを使ってデータベースに問い合わせをする
- IDとパスワードが存在するかどうかを確認する
- IDとパスワードが問題ないかどうかバリデーション(検証)する
なお、IDやパスワードの例に限らず、バックエンドエンジニアは以下が主な仕事内容となります。
- 複雑なデータ計算や集計などを行う
- データベースの問い合わせを行う
- データに対するバリデーションを行う
このような処理が正常に行われるように開発するのが、バックエンドエンジニアの仕事です。
バックエンドエンジニアが使うプログラミング言語としては、主にサーバーサイド言語と呼ばれている以下の言語が用いられます。
- Java
- PHP
- Ruby
- GO
- Python
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、バックエンドエンジニアが利用するサーバーそのものの構築や保守運用を行うエンジニアです。
つまり、システムを作るために必要な機材(もしくはクラウド環境)を用意する役割を担います。
システムが動作する環境(サーバー)を作ることは、暮らしにおける水道や電気といったインフラと同じように重要な役割です。
そもそもサーバーがなければシステムを構築することができないので、Web系エンジニアのなかでも根本を支える職種であるといえます。
インフラエンジニアの特徴は、フロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニアに比べて、言語を使ったシステム開発が少ないということです。
そのかわりに、サーバーやネットワーク、セキュリティなどの専門的な知識が求められます。
また最近では、クラウド環境にサーバーを構築するケースも増えてきており、クラウドに関する知識も重要です。
Web系エンジニアの将来性
結論から言えば、Webの将来性は高いといえます。
その理由としては、以下のようなものが挙げられます。
- Webサービスが増え続けているから
- 世間的にDXの対応が急務だから
- IT人材が不足しているから
一方で、以下のような理由から、将来性が低いと感じる人もいるようです。
- AIに仕事を奪われる可能性があるから
- Web系エンジニアの人口が増えているから
どちらも意見も正しいのですが、Web系エンジニアの将来性は、個々人のスキルに大きく依存します。
ほかのエンジニアと比べて秀でた能力があれば生き残れますし、AIで代替できるスキルしかなければ生き残れません。
Web系エンジニアの将来性が高い理由
まずは、Web系エンジニアの需要が高いといわれている理由について解説していきます。
前述の通り、Web系エンジニアとして将来性が高いのは、あくまでスキルをもったエンジニアのみです。
知識やスキルがない人がいきなり参入したからといって、必ず成功するとは限りません。
未経験からWeb系エンジニアを目指す場合も、最低限の知識の習得や、日々の研鑽が重要です。
Webサービスが増え続けているから
近年、さまざまな産業がオンラインに置き換わる傾向にあります。
例えば、実店舗とECサイトの組み合わせなどは顕著で、アパレル業界をはじめとした多くの業態が取り組んでいます。
また、Webサイトを構築することで顧客を呼び込み、売上を向上させる取り組みも重要です。
経済産業省が発表している「令和4年度 電子商取引に関する市場調査」によれば、2013年時点では約11.1兆円規模だったBtoC向けEC市場が、2022年時点では約22.7兆円規模にまで成長したとされています。
特に2020年に発生した新型コロナウイルの蔓延は、さまざまな業界に影響を与え、対面からオンラインによる非対面化を進めました。
この流れは今後も加速すると予想され、Web開発を担うWeb系エンジニアの需要は高まり続けると考えられます。
世間的にDXの対応が急務だから
Webの急速な普及と同じく、企業のDX化も社会的にWeb系エンジニアが求められる1つの要因です。
今までアナログでシステム開発をしてきた会社や、アナログのシステムで運営してきた会社が、デジタル化を進めている企業に競争優勢を奪われてきているためです。
DX化は、単に一部の業務をデジタル化させることではありません。
事業の根幹となる部分にデジタル技術を屈指、収益を上げる仕組み自体を転換させることがDX化の目的です。
そのためには、Web系エンジニアをはじめとするエンジニアの活躍が欠かせません。
DX化が完了した後も運用・保守の観点から、Web系エンジニアの需要は高く、将来性が見込まれる職業であるといえるでしょう。
IT人材が不足しているから
一般社団法人情報サービス産業協会が、登録企業向けに実施した「JISA-DI調査」によれば、さまざま業界におけるエンジニア不足が顕著になっているといえます。
IT人材の雇用状況について、多くの企業がIT人材が不足しているという認識を示しており、特に令和4年の統計からほぼ最低水準で続いています。
このように、社会的にIT人材が不足している現状では、企業のエンジニアの獲得や育成が急務となり、非常に高い需要が見込まれます。
Web系エンジニアの将来性が低い理由
一方で、Web系エンジニアの将来性が低いとい声もあるようです。
その理由としては、以下の要因が挙げられます。
- AIに仕事を奪われる可能性があるから
- Web系エンジニアの人口が増えているから
繰り返しにはなりますが、上記の要因は知識やスキルを持ったWeb系エンジニアにはほとんど該当しません。
ここでは、Web系エンジニアの将来性が低いといわれる理由と、スキルを持ったWeb系エンジニアの将来性について見ていきましょう。
AIに仕事を奪われる可能性があるから
まず、一つ目の理由として、AIによって仕事を奪われる可能性があるという意見があります。
例えば、ChatGPTやCursorのような生成AIのプログラミング、またはGitHub CopilotのようなAI搭載エディタの登場は、エンジニアのあり方を大きく変えつつあります。
特に、エンジニアが直接コードを書く機会が減ってきたことは、将来性を危ぶむ意見を生んだ大きな要因です。
AIに仕事を奪われる可能性については、一部正しいと言えます。
具体的には、プログラミングの設計や上流工程に携わらず、指示された通りにコードを実装するだけのエンジニアは仕事を奪われる可能性が高いです。
また、新卒のエンジニアよりもAIに仕事を任せた方が業務が進むというケースもあり、新人が質の高い経験を得られないといったリスクもあります。
現在は指示に基づいてコードを書く業務がAIのメインですが、将来的には上流工程の仕事ができるようになるかもしれません。
一方で、開発の現場を全てAIに置き換えることは困難で、要件定義や開発、保守・運用などの面では、必ずエンジニアの力が必要になります。
例えば、設計ができるエンジニアが1人とAIを組み合わせることで、従来必要だったリソースを削減しつつ、より高度な成果を出すこともできます。
つまり、AIによって仕事をいばわれるというケースは、スキルの低いWeb系エンジニアにいえることで、AIをうまく活用できるエンジニアにとっては大きなチャンスです。
Web系エンジニアの人口が増えているから
Web系エンジニアの将来性が低いといわれるもう1つの要因は、エンジニア自体の人口が増えていることにあります。
同じ業界に多くの人材が存在している場合、採用市場の競争が激化は避けられません。
一方で、社会的なエンジニア不足は深刻になりつつあり、多くの企業がエンジニアを求めている状況です。
一見すると需要と供給のバランスが取れそうに感じますが、じつは「スキルを持ったWeb系エンジニア」という側面からみると、人材の人口は大きく減少します。
つまり、エンジニア自体の人口は増えているものの、現場で求められるレベルの人材が少ないということです。
Web業界は、多くの人がエンジニアを始められるという点では、未経験者にもチャンスのある領域といえます。
とはいえ、Web系エンジニアとしてスキルアップをしていかなければ、市場での競争によって活躍の場が減ってしまう可能性はあります。
Web系エンジニアのやりがい
ここまでWeb系エンジニアについて紹介してきました。
専門性が求められる点や、将来性のあるエンジニアになるための勉強が欠かせないWeb系エンジニアですが、仕事としてやりがいを感じる面もたくさんあります。
ここでは、現役のWeb系エンジニアである筆者が、エンジニアとしての充実感を感じた瞬間を紹介します。
Web系エンジニアを目指している人や、Web系エンジニアの働き方について知りたい方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
自分が作っているものが人に評価されると楽しい
自分が開発したプロダクトがユーザーに評価され、喜ばれることは大きなやりがいにつながります。
エンジニアにとって、技術力を磨くことと同じくらい大切なのが、その技術を使って人々の役に立つものを生み出すことだと言えるでしょう。
例えば、自分が開発したWebサービスをリリースし、それがユーザーからの高評価を獲得したときの喜びは格別です。
特に、ユーザーから直接フィードバックをもらえれば、自分の仕事が誰かの問題解決や生活の質の向上に貢献できたことを実感できます。
また、サービス利用者が増えていく過程を見守ることで、自分の成長を感じられるはずです。
顧客向けの開発以外にも、社内ツールの開発においても同様の喜びを味わえます。
自分が開発したツールによって同僚の業務効率が上がったり、煩雑な作業から解放されたりすれば、大きな達成感を得られるでしょう。
「このツールのおかげで助かった」という感謝の言葉は、エンジニアの心に深く響くはずです。
新しい技術を学ぶのが楽しい
Web系エンジニアを目指す上で、新しい技術を学ぶことの面白さも大きな動機の1つです。
プログラミング言語などのIT技術は、日々新しい変化を遂げ、定期的にアップデートがなされています。
毎日のアップデートによって、言語の機能性が広がり、もっと手軽で効率の良いコーディングができるようになります。
最先端の技術トレンドに注目し、更新された機能を体験することは多くのエンジニアにとって楽しみでもあります。
また、近年では人工知能(AI)の発展により、システム開発の可能性が大きく広がっています。
AI技術を用いることで、以前は困難だった高機能なアプリケーションを開発が可能です。
AIの新しい技術を使いこなして、画期的なプロダクトを創造する挑戦は、エンジニアにとっては大変魅力的です。
技術革新は、エンジニアに新たな学びの場を継続的に提供し続けます。
新しい技術に取り組み、独自の価値を生み出すことの楽しさは、エンジニアのやりがいに直接つながるはずです。
リモートワークや週1-2出社などフレキシブルに働きやすい
近年、エンジニア不足を背景に、働きやすさを改善することによりエンジニア採用を強化している会社が増えています。
これにより、エンジニアは自身のライフスタイルに合わせて働き方を選択できるようになってきました。
例えば、多くのIT企業がリモートワークを導入しており、住む場所を問わずに仕事ができる環境が整ってきています。
海外や地方に在住しながら、都心の企業のプロジェクトに参画することも珍しくありません。
自宅やコワーキングスペースなどで働くことで、通勤時間を削減し、プライベートな時間を確保しやすくなります。
また、出社頻度を週1〜2回に限定している企業も増えていて、必要な打ち合わせや対面でのコミュニケーションは出社日に集中させ、それ以外の日はリモートで集中して作業ができます。
このような柔軟な働き方は、育児や介護との両立、自己啓発の時間の確保など、プライベートな時間を確保したい人にもおすすめです。
働き方の選択肢が多い
Web系エンジニアとしての働く際には、会社員としての勤務以外にも多様な働き方が存在します。
例を挙げると、フリーランスで働くことが代表的な職務形態の一つです。
そのほかにも、副業を行いながら収入をアップさせたり、自分でビジネスを立ち上げるなど、キャリアはさまざまな選択肢があります。
エンジニアの不足を理由に、副業やフリーランスで働く人を雇うことを検討している企業が多くなっています。
この動向は、Web系エンジニアが自由に働き方を手に入れるチャンスでもあります。
また、結婚や出産などのライフイベントに合わせて、働き方を柔軟に変えられます。
さらに、フリーランスになることによって、収入を増やすことを目標にしているエンジニアは多いです。
自分のライフスタイルにあわせやすい点も、Web系エンジニアがやりがいを保てる秘訣といえるでしょう。
Web系エンジニアに求められるスキル
ここでは、Web系エンジニアに必要なスキルを詳しく説明します。
具体的には、以下のスキルが求められることになります。
プログラミングスキル
- Webに関する知識
- データベースに関する知識
- ソフトウェアに関する知識
- セキュリティスキル
- IT系職種に共通して求められるスキル
プログラミングスキル
まず基本となるのは、プログラミング言語の知見です。
Web系エンジニアは、フロントエンドとバックエンド、この2つの領域にわたる言語の理解が必要になります。
フロントエンドでは、HTMLとCSSを使って、Webページの構造やデザイン、色や文字の位置など制作します。
Webサイトに動きやインタラクティブなコンテンツを加える目的で、JavaScriptといった言語も活用されます。
これらの言語をマスターすることが、フロントエンド開発の基本になります。
バックエンドで利用されるプログラミング言語としては、Ruby、Python、Java等が挙げられます。
これらのプログラミング言語は、データベースへの問い合わせやデータ処理、集計など、サーバーサイドでの動作に利用されます。
Webアプリケーションのロジックの大部分がこの部分で実行されるため、バックエンド開発のスキルはウェブエンジニアにとって不可欠です
Webに関する知識
インターネット技術(Web技術)に関する知識も重要です。
具体的には、以下のような技術を理解しておく必要があります。
- ブラウザからWebサーバーへのリクエストの送り方
- サーバーからデータベースへの問い合わせの流れ
- データがクライアントに返却されるまでのプロセス
例えば、会員制のWebサイトにログインするために、ログインIDやパスワードを入力することを考えてみましょう。
サーバーに保管してあるユーザー情報を呼び出したり、ログイン情報と一致する情報を呼び出し、その結果を画面上に反映するシステムが必要です。
これらの知識は、Webアプリケーションがどのように動作するかを深く理解するのに役立ちます。
データベースに関する知識
Web系エンジニアの仕事では、データベースに関する知識も必要です。
数多くのWebアプリケーションが、PostgreSQLやMySQLのようなリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)によりデータの管理を行っています。
リレーショナルデータベースは、データを表形式で扱うシステムです。
分かりやすくいえば、Excelのような表を用いてデータを管理します。
これらのシステムでデータを格納し、検索、更新する際には、SQLという言語が活用されます
ただし、使用するデータベースによって言語に少し違いがあるので、必要な言語を勉強することが大切です。
セキュリティスキル
現在のWeb系エンジニアには、セキュリティの知識が欠かせません。
Webアプリやサービスを開発する場合、セキュリティ上の脆弱性を引き起こさないように細心の注意を払ってシステムを設計する必要があります。
現在、DOS攻撃や総当たり攻撃など、様々なセキュリティ攻撃が懸念されています。
Web系エンジニアとしてシステムを手掛けるうえで、これらのサイバー攻撃に対する対策hが不可欠といえるでしょう。
また、データベースを構築する際にも、セキュリティ対策が重要となります。
データの秘密保持と完整性を保護するために、適切にデータベース設計を行い、インジェクション攻撃を含む脅威から守る対策を施すべきです。
情報漏洩を含むセキュリティ事故は、企業に対して重大なダメージをもたらすため、確実に防がなければならないインシデントです。
セキュリティへの意識を高めることが、企業から求められる人材へと変わるチャンスを持つことにつながります。
IT系職種に共通して求められるスキル
Web系エンジニアとしての特有の知識だけでなく、IT関連職の幅広い分野で要求される能力も身につけておきましょう。
- コミュニケーションスキル
- ロジカルシンキング
- 効率的な学習スキル
- 集中力
- 課題解決スキル
これらのスキルは、システム構築において重要なスキルです。
チームで開発を住めるときや、バグが発生したときなど、さまざまな上記のスキルが問われます。
未経験でもWeb系エンジニアになるためには、少なくとも前述のスキルを習得しておくことが重要です。
Web系エンジニアの働き方
Web系エンジニアとして活躍する場は、正社員以外にもさまざまな選択肢があります。
ここでは、Web系エンジニアの働き方や、それぞれの働き方の特徴について説明します。
正社員として働く
Web系エンジニアとして仕事をする場合、初めに思いつくのは正社員として働くことです。
実際に多くの人がサラリーマンとして働いており、極端なブラック企業でなければ安定して仕事ができます。
社会保障や税金の自動天引きなど、基本的な福利厚生が完備されているケースが多く、仕事に集中しやすい環境だと言えるでしょう。
また、企業によっては社宅や従業員割引などの福利厚生が手厚い場合があり、日々の生活も豊かになるメリットがあります。
一方で年収については、会社のサイズや売上高に依存するため、会社よって差があります。
先端技術を扱うIT企業では高収入が見込める一方で、中小規模企業やスタートアップでは、それほど高くない給与となることもあるかもしれません。
派遣社員として働く
フルタイムで働くほかに、派遣の形態で非正規雇用にとして働く道もあります。
派遣社員としての勤務には、以下のメリットがあります。
- ライフスタイルに合わせて働ける
- 大手企業の求人が多い
- 多くの企業で経験を積める
- 職歴が増えないので複数の仕事に挑戦できる
- スキルアップできる
給料は少し下がるかもしれませんが、正社員よりも自由度が高い点メリット点です。
また、大企業に就職するのが難しいと思われがちですが、派遣社員の形であれば非正規職としてプロジェクトにかかわれる可能性があります。
フリーランスとして働く
フリーランスとしての働き方は、自由度の高さが特徴です。
クライアントとの調整が必要になるケースもありますが、基本的には自分の好きな時間で働けます。
フリーランスとして働く場合は、時間単価をどれだけ向上できるかが一つの目標になるでしょう。
時間単価を増やすには、年齢や実務経験年数のほかにも、開発者としてのスキルが必要不可欠です。
また、Web系エンジニアがコミュニケーションスキルを高く保ち、クライアントにとって価値ある存在であり続けることも大切です。
フリーランスの個人事業主として働くこと以外にも、仕事の量が増加して自身一人では処理できなくなる場合には、法人化を選択する道も存在します。
そのほかにも、フリーランスとして企業の技術顧問の役割を果たすことも選択肢の一つです。
ただし、未経験者がフリーランスのWeb系エンジニアを目指すのはかなり難しい選択といえます。
少なくとも1~2年間、できれば3年以上Web系エンジニアの仕事に従事したうえでフリーランスを目指すことをおすすめします。
Web系エンジニアのキャリアパス
Web系エンジニアのキャリアパスとしては、以下の例が挙げられます。
- 特化型のスペシャリストを目指す
- 幅広い業務に携わるフルスタックエンジニアを目指す
- マネジメント・ディレクターやVPoE・CTOなどの上流工程を目指す
- コンサルタントを目指す
ここでは、各キャリアパスについて詳細に解説します。
特化型のスペシャリストを目指す
Web系エンジニアは、役割に応じてフロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニア、インフラエンジニアに区分されます。
キャリアパスの1つとして、各分野での専門性を高め、スペシャリストを目指すことが挙げられます。
エンジニアの各職種では、それぞれ業務が異なります。
また、求められるスキルや知識のが異なるので、徹底的に学べば高い需要を持つ人材に成長できるでしょう。
幅広い業務に携わるフルスタックエンジニアを目指す
フルスタックエンジニアは、システムの設計、開発、運用、そして保守を一手に引き受けられるエンジニアのことです。
フルスタックエンジニアとは、一般的に職種には分類されないものの、さまざまな領域で多才に貢献できる人物をさします。
Web系エンジニアの場合、フロントエンドとバックエンドの両方のスキルを持ち合わせていて、なおかつインフラエンジニアとしての環境構築能力も持つエンジニアといえます。
幅広い領域で貢献できることから、特に小さな会社やベンチャー企業では非常に重宝される存在です。
マネジメント・ディレクターやVPoE・CTOなどの上流工程を目指す
キャリアパスとしては、マネジメントなどの上流工程へキャリアアップしていく方法もあります。
チームのリーダーとして多くのエンジニアを統括し、メンバーを導くマネージャーを目指すのが一般的だといえます。
マネージャーポジションの先のキャリアパスとしては、直接開発に携わる現場から離れて、エンジニアチーム全体を統括するVPoEやCTOなどの役割も考えられます。
VPoEやCTOは、会社の運営に直結するポジションで、開発戦略や採用計画などを策定する役割があります。
そのため、開発に従事した知識と能力を用いて、会社の利益を拡大するための経営者側の視点を持つことが重要です。
コンサルタントを目指す
現場のエンジニアとして活躍するキャリアのほかにも、ITコンサルタントとして活躍するキャリアパスもあります。
ITコンサルタントは、クライアント経営戦略や課題のヒアリングを行い、それに沿ったI計画の策定や必要なツールの導入、実行支援を行います。
また、費用と効果、スケジュールを含めたシステムの分析・選択もITコンサルタントの業務範囲です。
Web系エンジニアの経験を生かし、現場での問題解決やチームメンバーのスキルアップに貢献することもあるでしょう。
つまり、内部に所属するのではなく、外部の立場からエンジニアをサポートすることがコンサルタントの職務です。
コンサルタントの仕事では、経営者の視点からの判断力など、エンジニア以外のスキルや知識も必要とされます。
特に、経営の課題をしっかりと把握し、エンジニアの経験を生かして正確な解決法を見つけ出すスキルが必須です。
【年代・働き方・職種別】Web系エンジニアの年収
ここでは、Web系エンジニアの年収について、年代・働き方・職種別の観点に分けて紹介します。
Web系エンジニアを目指している方や、Web系エンジニアとしての働き方を模索している方は、ぜひ参考にしてみてください。
【年代別】Web系エンジニアの年収
まずは、Web系エンジニアの年収を年代別に見ていきましょう。
20代Web系エンジニアの年収
20代Web系エンジニアの年種は、働き方や所属する会社によって大きく変わります。
例えば、24歳や25歳でも、大手ベンチャー企業で3年経験していると年収700万円程度になることもあります。
一方で、Web制作会社で3年働いていても、その会社自体の給料によって年収があまり上がらないケースもあり、年収は400万円程度になることもざらです。
また、Web系エンジニアの年種は地域によっても大きく変わります。
例えば、東京ではアプリケーションの開発のエンジニアに対する需要に供給が追い付いていないため、年収が上がりやすいです。
一方で地方は、Webアプリケーションの求人自体が少ないケースや、リモートワークでのサポート的な参画が多くなり、高給のケースは少ないことが現状です。
平均年収を知りたいという方のために言うと、20代前半の場合は400万円前後が相場です。
20代の後半になると、500~600万円程度の年収になることが一般的です。
30代Web系エンジニアの年収
30歳のエンジニアの年収ですが、これも平均を取得するとだいたい500~700万円ほどです。
つまり、20代の後半からあまり伸びていないことになります。
まず、会社員における30代は、一般的には中堅からベテランといわれる年数です。
ベテランと呼ばれるレベルまで達している場合は、600~700万円ほどの年収を目指すことも可能です。
ただし、中途採用などを経た場合、経験やスキルによっては伸び悩むケースもあるでしょう。
40代~Web系エンジニアの年収
大体10年から20年ぐらい働いていると、ベテランのエンジニアと呼ばれる存在になります。
30歳を超えてくるとマネジメント経験も求められるようになってくるので、40代以降でエンジニアを現役でやっている方は、プレイヤーとしてよりもマネジメントサイトの方が多いでしょう。
マネジメントクラスまでキャリアアップをしている前提で考えると、年収は800~900万円ぐらいは目指せます。
【働き方別】Web系エンジニアの年収
つづけて、正社員やフリーランスなど、働き方べ地の年収について紹介します。
正社員Web系エンジニアの年収
正社員の年収の幅についてですが、これは年齢を考慮に入れた場合、おおむね300~1000万円ぐらいが平均的な範囲となります。
明確に言えることは、実務経験の年数や役職などによって、この範囲は大きく変わることです。
もちろん所属している会社によっても、年収は大きく変わります。
正社員が副業をした場合の年収
正社員と副業を組み合わせた場合は、年収がアップできる可能性があります。
例えば、Wenエンジニアとしてのキャリアが2〜3年目程度の方が副業を始める場合、時給2,000~3,500円程度の副業収入が得られます。
土日や祝日を除いて、毎平日の2時間の副業をすれば、毎月80,000~140,000円の収入が得られる計算です。
また、スキルやキャリアが上がれば、副業での収入も時間効率が良くなる傾向にあるため。より収入をアップさせられます。
派遣社員Web系エンジニアの年収
一般的に派遣社員全体の給与水準は、中央値が,500円~1,750円未満で、平均値は1,697円となっています。(派遣社員WEBアンケート調査結果 2023年度/一般社団法人 日本人材派遣協会)
また、ITや通信系の企業の派遣業務の場合は、時給1,799円程度になり、業務の従事年数が上がるほど、給与水準が高くなることが一般的です。
Web系エンジニアの場合も、同様の給与水準であると考えられ、週5日の20日勤務の計算では年収350万円程度であると考えられます。
フリーランスWeb系エンジニアの年収
フリーランスエンジニアの年収の幅ですが、これも独立した時の経験年数によって変わります。
経験年数2~3年くらいのジュニアの場合、エージェントを経由した時に入ってくる金額としては、だいたい時間単価2,500~3,000円くらいが妥当なラインです。
実務経験が豊富で5~6年やっている場合だと、手元に入ってくるのは5,000~7,000円ぐらいが相場になってくると思います。
一日8時間働くとなると、ジュニアの場合は600~700万円程度です。
シニアの場合800~900万円ぐらいが大体の相場観になってくると思います。
新卒や未経験のWeb系エンジニアの年収
つづけて、新卒や未経験でWeb系エンジニアになる場合の年収をチェックしていきましょう。
これからWeb系エンジニアを目指していく方や、転職を検討している方は必見です。
新卒Web系エンジニアの年収
新卒の年収については、会社によって変わります。
そもそも新卒で経験者と未経験者の採用を行っているというのも、Web系エンジニア業界の非常に面白いポイントです。
通常、新卒の場合は未経験者採用なのでポテンシャルで評価されるだけです。
学歴や話した時の受け答え、モチベーションなど色々な観点があります。
しかし、Web系エンジニアの領域では、エンジニアが大いに足りていない状況になっているため、新卒から優秀な人や経験者を積極的に採用する動きがあります。
一般的に未経験者の場合、新卒でも他の職種の給与水準と変わらず、だいたい年収300~400万円ぐらいが平均年収です。
一方で、学生インターンや企業などで実務経験がある場合は、最初から平均以上の収入を得られる場合もあります。
例えば、以下に該当する人は新卒で年収600~700万円くらいは狙える範囲です。
- 学生時代、LINEやメルカリなど有名なソフトウェアエンジニア業界でインターンをしていた
- ソフトウェア会社で3年の実務経験がある
中途採用かつ未経験の場合
エンジニアで中途採用かつ未経験の場合も、転職先の会社によるというのが結論です。
また、中途採用者のポテンシャルによっても変わってきます。
新卒採用とかなり似ているとはいえ、ほとんど新卒と変わらない金額になってくると思います。
ただし、以下の場合、いきなり年収500万円ぐらいのオファーが来るケースもあります。
- 学歴が非常に高い(例:旧帝大出身、東大出身)
- 外資系の会社での採用(例:アクセンチュア)
しかし、普通の人がエンジニアとして未経験から採用される場合だと、年収は300~400万円ぐらいが相場です。
採用されてから未経験で2~3年ぐらい働いていると、だいたい市場の能力としては年収500万円以上に市場の評価としては上がっていく印象です。
その2~3年でスキルアップに努めれば、正社員として転職する場合は非常に有意義な経験になると思います。
Webエンジニアは需要の見込まれえる職業
今回は、Web系エンジニアについて紹介します。現役エンジニアの目線で解説しました。
インターネットの発達によって、現在のWeb業は圧倒的な成長を遂げています。
この成長に伴って、Web開発を担うエンジニアの需要も伸び続けています。
一方で、技術の発展やエンジニア人口の増加によって、活躍し続けるエンジニアになるためには、常に勉強し続けることが重要です。
Web系エンジニアを目指すときは、世の中の流行を読み取り、需要の高いエンジニアを目指しましょう。